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自然薯の植物名はヤマノイモ、学名は Dioscorea japonica です。
一方、一般に長芋と呼ばれるものはナガイモ、学名は Dioscorea polystachya です。
どちらもヤマノイモ科ヤマノイモ属に属しますが、植物学上は別の「種」に分類されています。文部科学省の日本食品標準成分表でも、
「じねんじょ」と「ながいも」は別の食品として掲載されています。
自然薯 | 長芋 | |
植物名 | Dioscorea japonica | Dioscorea polystachya |
科・属 | ヤマノイモ科ヤマノイモ属 | ヤマノイモ科ヤマノイモ属 |
日本での位置づけ | 古くから山野に自生 | 主に栽培作物として普及 |
食感 | 粘りが非常に強く濃厚 | 水分が多く比較的さらりとしている |
染色体 | 40 | 140 |
自然薯と長芋の栄養成分の違い
成分(可食部100g・生) | 自然薯 | 長芋 |
|---|---|---|
エネルギー | 118kcal | 64kcal |
水分 | 68.8g | 82.6g |
炭水化物 | 26.7g | 13.9g |
でん粉 | 22.7g | 11.8g |
たんぱく質 | 2.8g | 2.2g |
脂質 | 0.7g | 0.3g |
食物繊維 | 2.0g | 1.0g |
ビタミンB1 | 0.11mg | 0.10mg |
パントテン酸 | 0.67mg | 0.61mg |
ビタミンC | 15mg | 6mg |
カリウム | 550mg | 430mg |
ビタミンE(α-トコフェロール) | 4.1mg | 0.2mg |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」注 近年の分析例では、澱粉を初め一部の成分について、長芋と比較して三倍近い含有量を示す自然薯の個体も確認されています。
自然薯とナガイモは、芋だけでなく地上部にも違いがあります。
自然薯の葉は比較的細長いハート形で、葉の付け根付近は通常緑色系です。
ナガイモでは葉の幅が広いものが多く、葉柄と葉身の接続部分などに赤紫色を帯びる特徴が見られるものがあります。国立科学博物館も、ナガイモでは茎や葉柄が紫色を帯びることなどをヤマノイモとの識別点として紹介しています。
ただし、葉の形には系統や生育環境による変異があります。葉の形だけで一律に断定するのではなく、複数の特徴から判断することが大切です。
自然薯と長芋は、どちらも食用として優れたヤマノイモの仲間です。
長芋には長芋の良さがあり、自然薯には自然薯ならではの強い粘り、風味、そして長い食文化があります。私たちは、長芋と比較して自然薯の方が優れていると言いたいわけではありません。違う植物である以上、それぞれを正しく区別して伝えていくことが大切だと考えています。
政田自然農園は、自然薯の安定栽培技術の確立、種芋の生産、栽培資材の開発、そして全国の生産者への栽培指導を通じて、長年にわたり自然薯栽培の普及に取り組んできました。
栽培技術だけが広がっても、自然薯そのものについての知識が正しく伝わらなければ、本当の意味で自然薯が普及したとはいえません。
自然薯とはどのような植物なのか。
長芋とは何が違うのか。
どのような種を選び、どのように栽培するのか。
生産する人、販売する人、そして食べる人まで、自然薯についての正しい知識が広がっていくこと。それが自然薯という作物の価値を守り、次の世代へつないでいくことにつながると、私たちは考えています。政田自然農園は、自然薯栽培の普及に携わってきた農園として、これからも栽培技術の研究と、正確な情報の発信を続けていきます。










