世界で初めて自然薯栽培に成功した政田自然農園は山口県柳井市で50年を超える研究・開発を行っています。［自然薯］栽培／食用／贈答用／種芋／栽培機器

山を調査して200ヶ所を超えた頃、ある条件を見つけました。それは、根が張る地表部分は肥沃な土壌でありながら、芋が育つ地下部分は痩せているということ。そこで考案したのが、パイプ型栽培器（クレバーパイプ）です。パイプ内には肥料分の少ない痩せた土を入れ、外側には肥沃な土とすることで、まっすぐな自然薯を育てる道筋が見えてきました。

まっすぐな自然薯の栽培には成功しましたが、品質が安定しません。そこで、鹿児島県屋久島から青森県に至るまで自生する自然薯を調査した結果、染色体数が40の自然薯でも、品質にばらつきがあることが判明しました。採取した自然薯を育て、葉の形やツルの色などを基準に、粘りが強く風味豊かなものを選別する技術を確立しました。

１９７４年、全国から厳選した優良系統を種芋として使用し、クレバーパイプ栽培を導入することで、日本発の高品質な自然薯の安定栽培が実現しました。この革新的な手法を広げるべく、政田敏雄は全国各地で栽培方法を伝授し、自然薯栽培方法を広めていきます。

1980年以降、国の減反政策を追い風に、自然薯栽培は全国へと急速に広がりました。販売代理店や各地のJAを通じて普及が加速し、今では鹿児島の屋久島から北海道まで、沖縄を除く全国各地で自然薯の栽培が盛んに行われています。その広がりの中で、クレバーパイプは自然薯栽培農家にとって欠かせない存在となり、今日までに1,500万本以上が販売されています。現在、政田自然農園では、気候変動に対応した栽培技術の向上に取り組むと同時に、消費者ニーズに応える新たな自然薯の系統を探求・研究しています。自然薯栽培のパイオニアとして、未来に向けたさらなる挑戦が続いています。

■ウイルスフリー種、弱毒接種株の開発
山口県農林総合技術センターと山口大学の共同開発により実現しました。

■各種栽培試験による資材と栽培方法の改良
種芋は傷みやすいため、検査、消毒、定温保管、出荷前検査等を徹底しています。

■栽培講習会の開催
初心者のための講習会、経験者のための研修会など、毎年開催しています。

■試験圃場の公開
ご予約により、試験圃場の見学をすることができます。

■産地の育成
産地を訪問して、最新の栽培方法を伝える活動をしています。